パリティビットとは―後でエラー検出するためのビットデータ。計算例など解説。

パリティビットとは、英語でparity bit、パリティチェック方式で伝送データの1文字ごとに 付加される1ビットのことで冗長ビットともいい、RAID 3/4/5/6などで使用される誤り検出データです。 パリティビットのビット計算の例など基礎知識を解説していきます。

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目次

この記事の目次です。

1. パリティビットとは
2. パリティはRAID 3/4/5/6などで利用される
3. パリティチェック方式とパリティビット
4. 偶数パリティと奇数パリティ
5. ビット計算の例（基本情報の問題の解説など）
6. まとめ

更新履歴

1. パリティビットとは

パリティビットとは、パリティチェック方式で誤り検出のために付加される1ビットのデータを意味します。 冗長ビットともいい、水平方向または垂直方向の1の数の合計が偶数かまたは奇数かを表すビットになります。

パリティビットのイメージ

パリティビットのイメージです。

パリティとは

パリティとは、データを0と1からなる列にしたとき、列中の1の個数に応じてチェックデータを付けくわえ、 このデータに基づいて誤りを検出・訂正する方法を意味する用語です。

パリティビットの英語

パリティビットの英語は「parity bit」です。

parityの意味

parityの英語の意味は「equality, especially of pay or position」で「平等、特に給与または地位」を意味します。

bitの意味

bitの英語の意味は「a small piece or amount of something」で「何かの少量または量」を意味します。

チェックビット

パリティビットはチェックビットとも呼ばれ、バイナリ文字列に追加できる単一のビットです。 1ビットの合計数を偶数「偶数パリティ」または奇数「奇数パリティ」にするには、1または0に設定します。

パリティビットの目的は、後で簡単にエラーチェックする方法を提供することです。 データを電子的に保存または転送する場合、ビットが「フリップ」、つまり1から0、またはその逆に変わることは珍しくありません。 パリティチェックでは、これらのエラーの一部を検出できます。たとえば、偶数パリティのバイナリシーケンスをチェックするには、1の合計数をカウントできます。 1の数が偶数でない場合は、エラーが発生している可能性があります。

このエラーチェックの弱点は、シーケンス内の奇数個のエラーしか検出できないことです。 偶数ビットが反転されると、パリティチェックはそれをキャッチしません。

2. パリティはRAID 3/4/5/6などで利用される

パリティチェックは、RAID 3/4/5/6などで利用されます。

• RAID 3: ビット/バイト単位での専用パリティドライブ
• RAID 4: ブロック単位での専用パリティドライブ
• RAID 5: ブロック単位でのパリティ分散記録
• RAID 6: ブロック単位・複数パリティ分散記録

その他にSCSIバスやマイクロプロセッサなどでも利用されています。

3. パリティチェック方式とパリティビット

パリティチェック方式とパリティビットについて見ていきます。

パリティチェック方式とは

パリティチェック方式とは、伝送データの誤りを検出する方式の1つです。

パリティビットは誤り検出のみ

パリティビットを使用したパリティチェック方式は、列または行の1の合計が偶数か奇数かしか分からないため、誤りの訂正は行えません。 パリティビットが1ビットの場合は、その値は0か1の2通りでしかなく、誤りがあるかどうかしか検出することが出来ません。

例えば、すべてのデータビットを数えて、その数が偶数なら冗長ビット（パリティビット）を0、奇数なら1とした場合、データが0000000の時に誤って偶数個の1が紛れ込んだ場合、データの復元、誤りの検出は行えません。

水平と垂直を合わせると位置が分かる

また、パリティビットを使用したパリティチェック方式は、水平方向と垂直方向のパリティビットを使用することでどこに誤りの値があるか分かるようになります。 ただし、誤りが2ビット以上になると矛盾が出てきてしまい、位置の特定ができなくなります。 水平方向と垂直方向のパリティビットを使用することで誤りの検出と1ビットの誤りまでの訂正が行えるということになります。

4. 偶数パリティと奇数パリティ

パリティチェック方式は伝送するデータの一文字ごとに1ビットのパリティを付加し、パリティビットを含めて１ビットの数が偶数になるように規定したものを 偶数パリティ、奇数になるようにしたものを奇数パリティといいます。

偶数パリティ

偶数パリティは、英語でeven parityといい、ビット列中に含まれる「1」の個数が奇数個ならパリティビットを「1」に、偶数個なら「0」にする方式です。

奇数パリティ

偶数パリティは、英語でodd parityといい、ビット列中に含まれる「1」の個数が奇数個ならパリティビットを「0」に、偶数個なら「1」にする方式です。

5. ビット計算の例（基本情報の問題の解説など）

パリティビットの計算について見ていきます。

パリティビットのビット計算の例1

8ビット符号において、パリティビット以外の下位7ビットを得るためのビット計算の例です。

最上位をパリティビットとする8ビット符号において、パリティビット以外の下位7ビットを得るとします。 仮にデータを10101010としたとき、16進数7FとのANDをとると次のように下位7ビットを取り出せます。

出典：平成18年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問題 問6

パリティビットのビット計算の例2

図のように16ビットのデータを4×4の正方形状に並べ、行と列にパリティビットを付加することによって何ビットまでの誤りを訂正できるかを計算します。 図の網掛け部分はパリティビットを表します。

パリティビットは、水平方向または垂直方向の1の数の合計が偶数かまたは奇数かを表すビットになります。 表は、奇数個の場合、1、偶数個の場合、0となっているので奇数パリティチェックといいます。

パリティビットは、列または行の1の合計が偶数か奇数かしか分からないため、誤りの訂正は行えません。 表のように水平方向と垂直方向のパリティビットを使用することでどこに誤りの値があるか分かるようになります。

ただし、誤りが2ビット以上になると矛盾が出てきてしまい、位置の特定ができなくなります。

つまり、水平方向と垂直方向のパリティビットを使用することで誤りの検出と1ビットの誤りまでの訂正が行えるということになります。

出典：平成27年度 秋期 ITストラテジ試験 システムアーキテクト試験 ネットワークスペシャリスト試験 情報セキュリティスペシャリスト試験 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅰ 問題【共通】 問2

パリティビットの問題

最後に基本情報のパリティビット関連の問題を解いて見ましょう。

基本情報技術者平成31年春期 午前問2

最上位をパリティビットとする8ビット符号において，パリティビット以外の下位7ビットを得るためのビット演算はどれか。

ア 16進数0FとのANDをとる。

イ 16進数0FとのORをとる。

ウ 16進数7FとのANDをとる。

エ 16進数FFとのXOR(排他的論理和)をとる。

出典：平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問題 問2

6. まとめ

パリティ、パリティチェック方式、パリティビットについて見てきました。ポイントを簡単にまとめます。

• パリティとは誤りを検出・訂正する方法を意味することば
• パリティはRAID 3/4/5/6などで利用される
• パリティチェック方式とは、伝送データの誤りを検出する方式の1つ
• パリティビットは、パリティチェック方式で伝送データの1文字ごとに付加される1ビット

更新履歴

• 2021/8/25 チェックビットについて追記しました。
• 2020/5/5 基本情報の問題について追記しました。
• 2020/3/25 偶数パリティと奇数パリティについて追記しました。
• 2020/1/14 パリティビットのビット計算の例について追記しました。
• 2019/12/6 目次を追加しました。

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